導入事例のご紹介

内部通報システムをDQヘルプラインに切り替えた理由 パイオニア株式会社 法務・リスク管理部部長 辻 伸一様内部通報システムをDQヘルプラインに切り替えた理由 パイオニア株式会社 法務・リスク管理部部長 辻 伸一様

パイオニア

東京に本社をおくカーナビゲーション、オーディオ機器メーカー。国内および海外(北米、南米、欧州、アジア、中国、オセアニア、中東)に拠点を有し、連結従業員は約 17,000 名

- まず、外部の通報ラインをご導入になった経緯をお聞かせいただけますか。

外部の通報ラインに関しましては、2003 年に導入したのが最初となります。
内部通報の仕組みを通じてわれわれが正規のレポーティングラインでは知り得ることが難しい、会社の中のどこがほころんでいるか、どこにトラブルが生じているかといったことを知ることができるという点で、非常に有益なスキームであろうと判断しまして導入に至りました。
その後、2005 年に内部通報公益通報者保護法ができたのを契機に、さらなる充実を目指して専門業者にハンドリングをしていただきながら、中立性を担保するという仕組みを整えてまいりました。

日々、様々な通報案件を目にいたします。通報内容によっては、その通報を通して会社が改善されていくのが、実感できるものも含まれています。
そういった声を拾い上げることは、内部統制をきちんとオペレーションしていくために必要不可欠な仕組みかと思います。

- 長きに渡って導入されていた外部の通報ラインから、DQヘルプラインにお切り替えいただいた理由をお聞かせください。

これは二つありまして、一つが多言語対応です。弊社は売り上げの半分以上が国外ですから、グローバル企業という位置づけになろうかと思います。したがって、海外のオペレーションのひとつとして内部通報システムをしっかり浸透させたいという思いがございました。

日本の会社法改正においても弊社のように大きく展開する企業集団においては、内部統制をより重視すべしという流れがございます。そこで内部統制関係の役員たちとも相談をしまして、まずは多言語対応することで、より盤石な姿勢で世界展開をしていきたいということとなり、御社のDQヘルプラインを選ばせていただきました。

そしてもう一つの決め手となったのが、ヨーロッパの個人情報保護に対する規制の高まり、これに対応する必要性があったからです。

1 年後になりますが、欧州一般データ保護規則がスタートいたします。これに合わせて、個人情報を伴うような内部通報はヨーロッパの規制に照らして取り扱う必要性があります。こうした状況のなか、ディー・クエストさんにお話をお伺いしたところ、DQヘルプラインでは規制に問題のないようスクリーニングをした上で弊社に通報内容を受け渡していただけることがわかりまして、これが決め手になりました。

また、内部通報ラインについては、2003 年にスタートした際、日本語と英語でグローバル対応自体はしていましたが、ブラジルをはじめとする各国拠点での整備が不完全でしたから、日本語と英語以外の言語で展開できるところをずっと探しておりました。御社のDQヘルプラインはまさにその要望に合致する内部通報ラインでした。

- 内部通報の運用に関して、気を付けていらっしゃることなどあれば、お聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

われわれがオペレーション上、最も気にするのは通報者の保護です。報復等の措置が通報者本人に及ばないよう、匿名性を担保することをオペレーション上、特に気を付けております。一方で匿名性ばかり保護し過ぎると問題も出てきます。特にハラスメント案件等がそれに当たります。アイデンティティを明かしていただかないと、いつまでも案件の本質に到達できない、担当するわれわれが調査に踏み込めないということになるからです。そのあたりのさじ加減は非常に気を遣いますね。通報者の匿名性の保護と、通報したからには改善してほしいという要望、その両立を実現するためのバランスに非常に苦慮する点がありますね。

また通報案件の数に関しては、もっとあってよいのではないかという思いもあります。
「通報の件数が上がってくるということは、会社の健全性を示す一つのバロメーターだ」と弊社役員も申しておりまして、私もそのとおりだと思います。
そのため、通報をより促すために日々心がけているのは、この制度の存在をいかにグループ社員に周知するかということです。QRコードの利用やスマートフォンからの通報などで便利になってきてはいますが、それ以外でも少なくとも半年に1回は、社員宛てに通報システムに関する内容を記載したメールを送信しております。これは海外グループ会社含めて全ての社員が対象です。

さきほども話が出ましたが、通報が来るたびに会社が良くなっていくな、と感じる案件もあります。自浄作用といいますか、なかなか目の届かない所で何が起きているのかを認識し、われわれとの接触を高めてくれるという点で、DQヘルプラインは非常に有効だと考えます。すでに十分有効活用をさせていただいてると思っていますが、さらなる有効化に向けて、ディー・クエストさんには今後ともお付き合いをお願いしたいと思ってます。

- ありがとうございます。今後、私どものDQヘルプラインに期待されることや抱負などがございましたら、お聞かせいただけますでしょうか。

細かい点になりますが、従来使っていた他のベンダーさんのサービスでは通報の際にファイルを添付して送信できました。
内容によっては録音データ等のファイルを添えて通報したい、という意見もありますので、DQヘルプラインでも、音声ファイルやワード、パワーポイントなどをウェブ上に上げる仕組みを導入いただけると、通報者にとってもよりハードルが下がるのではないかと思います。

- 本日はどうもありがとうございました。

インタビュー日付:2017年5月31日
インタビュアー:株式会社ディー・クエスト ヘルプライン事業部 和泉 哲美